はじめまして、こべつ屋の美木(みき)です!個別指導一筋16年の英語講師です!
この記事では近畿大学に合格するために、英語の入試で知っておくべきことを簡潔にまとめています。
近大の英語で「コレをやれば合格る」が具体的にわかります♪
まずは全体像を掴もう
まぁなんせ志願者が多い大学です。第一志望校にする子もいればスベリ止めにする子もいる。偏差値は工学部の40.0から医学部の65.0まで上下の差が激しいです。だいたい50~55くらいの大学です。※パスナビ調べ
近大の英語を攻略しよう!
具体例を交えながら詳細にまとめているので、近大を第一志望にしている子だけガッツリ読んでね♪
結論
先に結論を述べておきます。
近大に合格するために必要な力はこの3つ。
- 単語帳1冊分の単語力
- 標準的な英文法力
- 英文の正しい読み方の知識
単語は大学受験用の物を1冊です。もちろんそれまでの基礎単語が覚えられている前提です。
この3つに加えて、これがあると楽になる。
- パラフレーズ力(言い換え力)
大問4で詳述します。
近大は公募推薦入試でも一般入試でも試験時間と大問数は同じ。試験内容もほとんど同じなので、対策を分ける必要はありません。
試験時間と問題数
試験時間は60分で、大問数は7題。
大問1:会話文
大問2:中文読解
大問3:文法・語法
大問4:同義文選択
大問5:語彙力
大問6:整序問題
大問7:長文読解
近大はバランス型の入試問題で、万遍なく英語の知識を求められます。また「オールマーク式」で記述問題はありません。
大問1:会話文
会話文が2題(シチュエーションが2つ)あって、それぞれ3問ずつの計6問。
1題の長さも普通で内容も平凡、選択肢も4つの英文から選択する形なので点数の稼ぎどころになります。
<攻略法>
近大の会話文では、難しい単語や独特な会話表現は少なく、シンプルな表現がほとんどです。ただ、「話の展開を読む力」がないと一体何の話をしているのかよくわからなくなります。
場面・シチュエーションを捉えながら順番に英文を読み進めていきましょう。「誰と誰の会話?」「会話の場所はどこ?」「出来事は何?」「オチはどうなった?」という4つの情報を整理しながら場面取りをしてみましょう。
「英文を読む」というより「場面や展開を読む」が求められている!
大問2:中文読解
150語くらいなので2段落くらいの長さ。空欄補充式で6個の空欄に8個の選択肢から適切な単語を選ぶ問題。
穴抜き長文が苦手な生徒は多いです。攻略のコツは中途半端なテクニックを使わないことです。
<攻略法>
穴抜き長文の攻略法は「ふつうに前から本文を読んでいくこと」です。中途半端に空欄の前後だけ見るとかは絶対にやめた方がいいです。
近大の問題では、8択の単語から6個の空欄に適切なものを入れていく形なのでポイントは以下の通り。
- 最初からふつうに英文を読み文脈を掴んでいく。
- 空欄がS・V・O・C・Mのどれなのか判断する。
- それに加えて空欄に入る品詞が何かを判断する。
- 選択肢の単語を見て文型や品詞が合わない単語を消去する。
- 残った単語をそれぞれ入れてみて意味が通るか考える。
- 文脈に最も一致するものを選択する。
実際にやってみよう!
過去問から実際に例を挙げてみよう。
Red meant “stop” and green meant “( 8 )”. The lantern, illuminated by gas, was turned by means of a ( 9 ) at its base so that the appropriate light faced traffic.
この2つの空欄に適切な単語を入れようとするときに、いきなり空欄の前後を見て判断しようとすることはやめた方がいいです。
一番大切なのは
「文脈をとること」です。
まず( 8 )を見てみましょう。
Redは”stop”をmeantする、そしてgreenは”( 8 )をmeantする。
ここから「赤と緑の対比なのかな?」と判断することができます。最初から読んでいれば信号機の話をしていることはわかるので、「信号の色の話だ」ということは簡単に予測できます。赤が”stop”なので、緑は「進め系かな?」と推測されます。
ところが選択肢に”go”はありません。代わりに”caution”があり、「現代と違って昔は緑は”行け”ではなく”注意しろ”だったんだ」と解釈できれば日本語の読解力があると言えます。
次に( 9 )を見てみます。
a ( 9 )
冠詞がついているので( 9 )に入る単語は「名詞」だとわかります。そして選択肢の中に名詞は”lever”と”trouble”と”caution”の3つしかありません。
つまり8択の選択肢とは言え、品詞がわかれば一気に3択まで選択肢を削ることができるわけです。
あとは文章の意味が取れればOKです。
ランタン、ガスによって灯される、はその足元で( )によって回転される。
「レバー」、「トラブル」、「注意」のそれぞれを入れてみて、文脈に沿うモノを選択します。答えは「レバー」です。
昔の信号機がどのように使われていたのか、その場面をイメージすることができないと文脈を正しく理解することはできません。
「文脈理解」とは「場面のイメージ」です
「英文の正しい読み方」がイマイチ理解できていない人はコチラをチェック♪
大問3:文法・語法
基本的な文法・語法問題が8問。
複雑な文法問題は少なくて、ほとんどが基礎・標準レベルです。まずは問題集の「確認問題」と「標準問題」を完璧にしましょう。
「基礎」ってどんなレベル?
- 可算名詞と不可算名詞使い分けられる?
- 不定詞と動名詞の区別バッチリ?
- 前置詞と接続詞の区別バッチリ?
- 現在分詞と過去分詞の区別バッチリ?
- 名詞の後置修飾のパターンは?
- “that”の種類分けできてる?
など
高校入試でもふつうに出題されるレベルの文法問題です。
じゃあ「標準」ってどんなレベル?
- 感情動詞の問題で現在分詞と過去分詞どっちを使う?
- 否定語が文頭に来て倒置かかるやつ。
- 仮定法の”If”が省略されて倒置かかるやつ。
- 「時」「条件」の副詞節、未来のことでも現在形のやつ。
- 関係代名詞と関係副詞の区別のやつ。
- 文全体を先行詞に取るコンマwhichのやつ。
- 同格のthatと関係代名詞の区別のやつ。
- “the other”と”another”の区別のやつ。
- 原形不定詞かto不定詞かの区別のやつ。
など
これらはすべて問題集の「確認問題」や「標準問題」に載っています。応用・発展は後回しにして、まずは文法の基礎知識を定着させましょう。
<攻略法>
文法問題を反復する時に、意味のある反復とそうでない反復があります。闇雲に問題を解いているだけではあまり伸びません。
ポイントは「解答根拠」を理解しているかどうかです。4択問題で「なぜこれが正しい答えになって、なぜ他の選択肢ではダメなのか」を説明できるレベルになるまで学習を深めることが大切です。
解答根拠を正しく理解するとき、「品詞と文型」が重要になる!
品詞と文型の関係がイマイチ理解できていない人はこちらをチェック♪
大問4:同義文選択
一番配点が少なくて問題数は4問だけ。
問題文と同じ内容を表す英文を4つの選択肢の中から選ぶ問題です。パラフレーズに注意が必要です。言い方を変えられただけで混乱する受験生が多いです。
<攻略法>
ここでも「正しい英文の読み方」が重要になります。何が主語で何が述語なのかを正確にとり、英文の内容を正しく理解できるかどうかがポイントになります。
文脈が正しく理解できればパラフレーズになっても正しい選択肢を選ぶことができるでしょう。
パラフレーズって何!?
一言で表すと「言い換え」です。語句や文章の意味を分かりやすく別の言葉で述べることを指します。
例えば
- 「今日の晩ごはん何食べたい?」
- 「今日の晩ごはんどうする?」
- 「夕飯、何にする?」
- 「夕飯に何か食べたいものある?」
みたいな感じで言っていることは同じなんだけど、ちょっとずつ言い方が違う表現の仕方のことです。
- He is trying to get a taxi.
- He is trying to catch a cab.
- He is trying to take a taxi.
- He is trying to call a cab.
“taxi”は”cab”と言い換えられたり、「タクシーを拾う」という表現をする時にも”get”、”catch”、”take”、”call”など様々な動詞を使うことができます。
長文問題では、単語レベルや文章レベルで常にこのパラフレーズが行われています。
「良い解き方」と「悪い解き方」
これが一番ダメなやつです。完全に罠に嵌っています。出題者はわざと本文と同じ単語を選択肢の英文に散りばめています。よって、文脈を理解せず単語だけで解こうとしている受験生の得点率はいつまで経っても上昇しません。
これが理想的な解き方です。これができれば単語に惑わされることはありません。英文を見た時にイキナリ日本語訳を考えるのではなく、まずは英文構造(文型)を取ってください。主語・述語・目的語などが正しく取れてから文脈をイメージしましょう。
実際に過去問の問題を見てみよう!
There are many problems to get over before the project can be completed.
選択肢
- A lot of problems have to be avoided to finish the project.
- Before the project can be finished, many problems are likely to occur.
- Many problems must be acknowledged before the completion of the project.
- Prior to the project’s completion, many problems must be solved.
表現が変えられているのは一目瞭然ですね。問題文の内容と一致している英文はどれなのでしょう。
そのプロジェクトが完遂される前に克服すべき多くの課題がある。
選択肢
- そのプロジェクトを終えるために多くの課題が避けられなければならない。
- そのプロジェクトが終えられる前に、多くの課題が生じるであろう。
- そのプロジェクトの完遂の前に、多くの課題が認められなければならない。
- そのプロジェクトの完遂の前に、多くの課題が解決されなければならない。
言い方が変えられているので、日本語で見てもややこしいのです。内容が一致している文を探そうと思ったらしっかりとこの文章の場面が理解できていなければなりません。
答えは④になるわけですが、どんなパラフレーズがありましたでしょうか?
- 問題文では“get over”が使われていましたが、選択肢では“must be solved”が使われていました。
- 問題文では“before”という接続詞が使われていましたが、選択肢では“prior to”という前置詞が使われていました。
大学入試の長文はパラフレーズ祭りでございます。こういった「言い換え表現」を察知するためにも「順々に英文を読み進めて、文脈を正しくとる」が必要になるわけです。
同じ単語に飛びついちゃダメ!
大問5:語彙力
問題数は5問で配点が10点。ここで点数稼ぎたいですね。
近大の語彙力問題は(a)の英文を見て、それと同じ意味の単語を(b)の英文の空所に入れる形式です。英英辞書みたいな問題です。
(a)happening every year or once a year
(b)The ( ) country fair will be held this weekend.
- annual
- continual
- habitual
- periodical
解答
(a)が「毎年もしくは1年に1回起きる事」と言っているので、答えは①の”annual“(毎年の)になる。
(b)「その国の毎年のフェアーは今週末に開催されます」で意味が通る。
<攻略法>
まずは単語帳1冊を仕上げていることが大事。ターゲット1900でもシスタンでも自分が使っている大学受験用の単語帳でOKなので、その1冊を何度も何度も繰り返して完璧にしましょう。
その上で(a)で言っていることを正しく理解する内容把握力が必要になります。これも結局パラフレーズになっています。「なんとなく単語の意味は知っている」という状態でも、結局問題文が何を示しているのかが読み取れなければ正しい解答を選ぶことはできません。
長文・短文関係なく英文を正しく読む訓練を積みましょう!
大問6:整序問題
語彙力問題と同じく問題数は5問。整序問題でも点数稼ぎたいです。
近大の整序問題には日本語訳が載っています。おそらくこの日本語のせいで失点している受験生が多数でしょう。
このスマートフォン用英語学習アプリは、初心者にも簡単に使用できる。
This English learning application for ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) use.
- beginners to
- enough
- for
- is
- simple
- smartphones
解答
This English learning application for smarphones is simple enough for beginners to use.
この問題で使われている構文は“~enough to do”(…するのに十分~だ)という中学生レベルの物です。しかし、ここに落とし穴があります。
“enough”を「十分」という意味で認識している場合はこのような和訳ができます。
しかし問題文に書かれていた日本語訳は直訳通りにはなっていません。
なんかちょっと言い換えられていますね。このパラフレーズに気付けるかかどうかが大問6の攻略ポイントになります。
<攻略法>
単語に苦しむことはほとんどないでしょう。近大の整序で苦労するのは以下の2点。
- 語法・構文・イディオム
- パラフレーズ
語法・構文・イディオムの知識をここで問われます。基礎~標準レベルなので、「ネクステ系」の問題集を1冊やっておけばほぼ対応できるでしょう。
そしてまたパラフレーズが出てきました。近大は言い換えが好きなんでしょうね。日本語訳に惑わされずに英文を整序するために「品詞」と「文型」の知識が必須です。むしろこの知識さえ完璧であれば構文を知らなくても解ける問題はあります。
日本語訳の通りに英文を作ろうとしてはダメ!
大問7:長文読解
400~500語程度で問題数は7問。配点は大問7が一番高いです。
近大の長文問題はすべて内容一致問題です。段落も指定してくれているので、比較的答えは探しやすいですね。
<攻略法>
- 設問の4択の英文を完璧に訳す。
- 4択の内容の違いを把握する。
- 本文に書かれている内容と4択の内容を照らし合わせていく。
- 正しい答えはパラフレーズになっているので、ダミーの選択肢を消去法で消していく。
「先に4択の英文内容をがっつり掴んで、それから本文を読み進めていく」という順番を意識しましょう。
近大の長文は「一部分だけを読んで答えがわかる」ようにはなっていません。
前から順番に読み進めていき、段落ごとに設問を解いていきましょう。大切なのは「正しい英文の読み方」で文脈を掴んでいくことです。
「より速く、より正確に」
まとめ
- 大問1は「展開を読む力」
- 大問2は「品詞と文型」
- 大問3は「基礎的な文法力」
- 大問4は「パラフレーズ力」
- 大問5は「標準的な単語力」
- 大問6は「構文・イディオム」
- 大問7は「内容把握力」
これらを各セクションで総合的に求められるのが近大の英語です。よってバランス型の入試問題と言えるでしょう。
そのために必要な力がこの3つでした。
- 単語帳1冊分の単語力
- 標準的な英文法力
- 英文の正しい読み方の知識
具体的な学習法
学校から配布されている単語帳で問題ないので、まずは1冊を完璧にしましょう。その上で、確実に合格したい人は上級編の「2冊目」に挑戦しましょう。
文法の問題集も学校で配布されているもので十分です。それを何度も反復しましょう。ただし、「解答根拠」が説明できない状態で反復しても効果はありません。
英文構造を正しく理解していない状態で単語だけを覚えても長文は読めるようにはなりません。最初に「英文の読み方のルール」を覚えましょう。
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます。近畿大学の英語は決して簡単ではありませんが、「単語力・文法力・正しい英文の読み方の知識」があれば十分に戦うことができます!計画的かつ建設的に対策を進めてくださいね♪
貴方の合格を心からお祈り申し上げます。ファイト!!